急性胃炎はストレスが原因?
急性胃炎とは、胃の粘膜に急性の炎症が起こる疾患です。急に胃やみぞおちが痛くなったり、吐き気などの症状が現れたりするのが特徴です。暴飲暴食や薬の副作用、細菌による食中毒、腎不全や肝硬変などの疾患が原因で起こるものですが、ストレスが原因になるケースもあります。
内臓の機能は自律神経によってコントロールされていますが、ストレスが溜まるとそのバランスが乱れてしまいます。自律神経の乱れが起こると、胃酸が過剰に分泌されます。過剰な胃酸によって胃粘膜が傷害されることで、痛みが生じます。
急性胃炎の症状をチェック!
- 胃・みぞおちの痛み
- 胃のむかつき
- 食欲不振
- 吐き気・嘔吐
- 発熱
症状は主に突発的に起こります。胃にびらんや潰瘍ができることで、吐血や下血を引き起こす恐れもあります。
ただしこれらの症状は急性胃炎以外の疾患でも起こり得るものなので、勝手な自己判断はせず、医師の診察を受けましょう。
急性胃炎の検査
まずは問診で、現在の症状や最近食べたもの・飲んだもの、服用した薬などについて、お伺いします。また胃カメラ検査を行い、胃の粘膜の状態を直接調べます。
胃カメラ検査では、胃粘膜にびらん、発赤、潰瘍、浮腫、出血などが見られます。胃がんや悪性リンパ腫などの悪性疾患でも、胃粘膜に似たような変化が起こることがあり、必要に応じて組織検査を行います。
当院で胃カメラ検査を受けていただくことも可能ですので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
急性胃炎の治し方
軽症でしたら、胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬などを用いた薬物療法と、ご自宅で安静に過ごしましょう。
まずは1~2食ほど食事を抜いて、胃を休めます。水分はぬるま湯などで補給しましょう。軽度の急性胃炎で悩んでいた患者様の中には、この絶食だけで症状が落ち着く方もいます。
食事ができるようになりましたら、うどんやお粥などの柔らかい食事から摂りはじめ、少しずつ今までの食事に戻していきます。しばらくの間は、刺激の多い食べ物・飲み物を摂ることは避けてください。
胃粘膜から出血が起こっていたり、自力での水分摂取が難しいなどの重症の場合には、入院して治療を受けていただく可能性もあります。
また急性胃炎の再発を防ぐため、先述した治療に加えて、食習慣の改善にも取り組んでいただきます。
急性胃炎になった場合の食事
食事の量はいつもより少なめに抑えましょう。また先述したように胃の安静を保つため、1~2食絶食した方が良い方もいます。食事は胃に負担をかけないよう、スープやうどん、お粥、卵、白身魚など、消化の良いものをゆっくり、よく噛んで食べるようにしてください。
特に薬を飲んでいる間は、お酒やブラックコーヒー、辛いもの(カレーなど)、繊維の多いもの、消化の悪いもの(焼肉、天ぷらなど)、塩分の高いものなど、胃に負担をかけるものは避けてください。タバコも同様です。
吐き気・嘔吐がひどく水分補給ができない場合は、点滴などが必要になります。
急性胃炎は仕事を
休んだ方がいいの?
「なんとなく胃の調子が悪いから様子をみよう」と自己判断せず、いつもと違う痛みや症状があれば速やかに医療機関を受診しましょう。
症状自体は数日安静にして過ごしていれば、ある程度改善される可能性が高いですが、ストレスが原因となっている場合には、1週間(場合によってはそれ以上)ほど予定を入れず、休む期間を確保した方が良いケースもあります。
なお、ピロリ菌やアニサキスによる胃痛だと判断した際は、それらを取り除く治療を行います。