血便/便潜血陽性

血便が出るのはストレス?

血便が出るのはストレス?ストレスを避けて現代社会を生きることは難しい時代です。日々仕事や勉強、家事、育児で忙しく、ストレスがかかっている時に血便が出るとなるととても不安になりますよね。
実は結論から言いますと、過度なストレスから血便が起こることはありません。
しかし、強いストレス・不摂生から胃潰瘍ができたり、過敏性腸症候群を発症し下痢の繰り返しで、おしりを拭く回数が増えることで、出血を起こすことはあります。

便潜血陽性の結果が出た

便潜血陽性の結果が出た便潜血検査とは、大腸がんを早期発見するために行われている検査です。
しかし、便潜血検査で陽性反応が出ても、必ずしも大腸がんがあるとは限りません。便潜血陽性でも実際に大腸がんが見つかるのは約2%という報告もあります。
あくまで大腸がんの可能性を調べるために行われている検査なので、大腸がんの確定診断には大腸カメラ検査が必要なのです。

陰性でも大腸がんは
否定できない?

便潜血検査では見つけることのできない大腸がんが、大腸カメラ検査で見つかることは多々あります。特に早期の大腸がんや、将来がん化するリスクのある大腸ポリープは、便潜血検査では見つからないこともあるのです。大きなポリープの約70%、進行した大腸がんの約20%は便潜血検査が陰性となってしまう、という報告もあります。
そのため陰性だった場合でも、「大腸がんの可能性はゼロだ」と断言できないのです。
大腸がんは進行すると、命を落とす可能性のある恐ろしい疾患ですが、早期発見・早期治療を行えば完治できる疾患でもあります。また大腸がんがなくても、大腸カメラ検査で定期的にポリープを全て切除しておけば、将来の大腸がんの予防も可能です。便潜血検査が陰性だった方でも、大腸がんの発症リスクが高くなり始める40歳を過ぎたら、大腸カメラ検査を定期的に受けましょう。

血便が出る原因は?
便の色は赤?黒?

血便を引き起こす原因は多岐にわたります。見た目で分かる血便の場合は、出血している箇所や原因が、ある程度予測できます。
便潜血検査で陽性反応になった方はもちろん、以下の血便が見られた方も、なるべく早めに当院までご相談ください。

便の色・見た目 原因
鮮血便 鮮やかな赤色 痔、大腸がん、憩室出血など
暗赤色便 黒っぽい赤色 大腸・小腸などからの出血
黒色便(タール便) 黒っぽい色 胃がん、胃・十二指腸潰瘍
粘血便 粘り気がある 感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病

血便が出た、便潜血陽性
だった場合に考えられる疾患

血便の原因は様々ですが、下記の疾患の症状として起こることがあります。

いぼ痔

下痢・便秘や排便時の過度のいきみ、長時間座り続ける習慣、妊娠、出産などによって起こる痔です。肛門の内側にできる「内痔核(ないじかく)」と、肛門の外側にできる「外痔核(がいじかく)」の2種類あります。

切れ痔

長期間続く下痢や便秘によって起こる痔です。排便すると強い痛みが起こりやすく、トイレットペーパーに真っ赤な血が付くことが多い傾向にあります。再発を繰り返すと肛門ポリープや肛門狭窄を引き起こす恐れがあります。

大腸ポリープ

大腸の粘膜に発生するポリープです。便がポリープの表面に触れることで、出血を起こすことがありますが、血便の原因となることは稀です。大腸がんになるリスクがあるため、大腸カメラ検査で切除する必要があります。

大腸がん

大腸粘膜に生じる、上皮性の悪性腫瘍です。便が腫瘍に触れることで、出血を起こします。初期は無症状ですが、ある程度進行すると、血便をはじめ、腹痛や便秘などの症状が起こります。
これらの症状が起こった大腸がんは、かなり進行している状態ですので、心当たりのある方は速やかに検査を受けてください。

大腸憩室症

大腸の壁が外側に飛び出し、憩室という空間ができた状態です。
憩室内での細菌感染によって起こる「憩室炎」と、憩室内の血管が破れて出血する「憩室出血」に分かれます。ほとんどは無症状ですが、憩室出血を発症した場合は、大量の血便が出ることもあります。

虚血性腸炎

大腸粘膜への血流が悪くなり虚血になることで、粘膜に炎症や潰瘍が起こる疾患です。脱水症状や下剤の服用、便秘などによって起こります。左側腹部から下腹部にかけての腹痛や血便などの症状が起こります。

潰瘍性大腸炎

大腸粘膜に、慢性的な炎症が生じる難病です。粘り気の強い血便をはじめ、激しい腹痛や下痢などの症状が起こります。症状が落ち着く「寛解期」と、症状が起こる「再燃期」を繰り返す特徴を持っています。

血便が出た、便潜血陽性と
言われたら内視鏡検査を

血便が出た、便潜血陽性と言われたら内視鏡検査を便潜血検査で一回でも陽性反応になった方は、なるべく早めに大腸カメラ検査を受けましょう。
痔などで出血を起こしている方がほとんどなのですが、中には、進行している大腸がんが隠れている方もいます。陽性になっても「どうせ痔だろう」と思い込まずに、きちんと精密検査を受けることをお勧めします。

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